1987年4月10日 初版発行
1989年6月9日 第2版発行
ミュージック・ライフ編
シンコー・ミュージック
318ページ
定価597円(本体580円)
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弟の本棚から。
奥付に
この作品は1972年10月に刊行された単行本「ビートルズの軌跡」を文庫収録にあたり、再編集したものです。
とあります。
この本はビートルズが現役だった時期に雑誌「ミュージック・ライフ」に掲載された、彼らに関する記事をまとめたもの。
渋谷陽一氏による前書きに
ビートルズがいなくなった今、〝ビートルズの軌跡〟という本を出す意味はどこにあるのだろう。もしできるなら、あのめくるめくような十年間を追体験したい、してもらいたいというのがつくる側の希望なのである。
とありますが、この本を読んでいる最中、私は確かにその時代を追体験していたのです。自分が存在しない年の記事を読んでいる時も。これが「その時」を伝えている雑誌記事の魅力なのだろうと思いました。あとから書かれたものでは、こういう雰囲気を出すのは難しいのではないでしょうか。
前書きと各章の冒頭にある文章は渋谷陽一氏によるものなのですが、これらは渋谷氏が21歳の時に書かれたものだそうで、ベテラン文筆家の文章みたいなので驚き。私、21歳の時にこういう文章書けなかったもの。今も書けないけど。
私も中学生の時にはビートルズの音楽を聴くのに熱心で、ラジオのビートルズ特集を録音しては何回も聴いていたものです。その頃の私にとって「エプスタイン」といえば「ブライアン」だったし、「アップル」はレコード会社でした。今では「エプスタイン」といえば「ジェフリー」、「アップル」といえばパソコンなどを作っている会社のことが先に頭に浮かぶようになってしまいました。しかし、ブライアン・エプスタインって、凄腕マネージャだったのだなあ。
それから、この頃ミュージック・ライフの編集長は星加ルミ子さんなのですが、この当時20代半ばくらいで日本人として初めてビートルズにインタビューしています。あの時代に若くして編集長で英語もできてすごい! 私はだらだらと何十年も英語の勉強を続けていますが、誰かにインタビューなんてとてもできないし、つくづく無能なんだと思います。自分は凡人以下なのだから、すごい人と比べてはだめだね……。
さて、この本を読んでビートルズは短期間で有名になって金持ちになったのだということがわかりました。有名になる芸能人ってみんなそんな感じなのかな? 若い女性たちがビートルズに向かってきゃーきゃー叫んでいるのをテレビで見たことがあるけど、あれはなんだったのだろう。一緒に歌うのだったらまだ理解できるのだけど……。
有名になるとゴシップに悩まされるようで、ビートルズのメンバーも困っていたみたいです。でも、ジョンが、
僕の妻はいつまでたってもシンシアただ一人だ。
と発言(1965年)しているのが悲しい。だめ、不倫! とりわけ子供のいる人はだめです!
リンゴが結婚した時には、
ビートルズは解散に一歩近づいた。
と噂されたとか。というのもビートルズの中で一番人気があるのはリンゴだから、リンゴが結婚すると彼のファンが減るだろうから、とのこと。演奏家が結婚していようがいまいが本来は関係ないことなのにね。
人気の絶頂にあってもビートルズのメンバーはある意味で冷静だったようで、
僕達は僕達の人気が永久に続くなどと決して思ってやしない。特に僕達のように急激に人気の出たものはちょうど風船がしぼむように、その人気を落とすものだ。
とジョンは述べています。しかし、ビートルズの人気は今でも続いていますから、この予見は間違っていたのではないかな? 今でも、ラジオ、テレビ、小売店、喫茶店、いろいろな場所でビートルズの曲が聞こえてきます。若い時はアイドル的な人気もあったのだろうけれど、それ以上にやはりその音楽が魅力的なのだろうと思います。
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