2022年08月25日

MMM『めんどりの葛藤,わたしたちはなぜ生むのか』

5羽のなかよしめんどりがいました


短い、詩のようなお話です。






ある日、一羽のめんどりが、次の卵をうんだら、その自分の子供がどのように暮らすのかを見にいくつもりだと言い出す。そして実際に見にいき、見てきた様子を他のめんどりたちに語る。

私は……2羽目か3羽目かな。憧れるのは4羽目かな。

↓いずれ焼き鳥になるのだとしても、こんなふうに暮らしていてほしいが……。



こういう風に育った鶏は筋肉が発達していて固いから、もっと柔らかくてあぶらっぽいのがいいと言う人もいるけど。健康に悪いものの方がおいしいと思えるというのは、不思議だ。

鶏も牛も豚も、その他の家畜も、自分の子供たちがどんな目にあっているのかを理解したら、そして自分たちが人間にされていることを理解したら、うむのをやめるかもね。それとも……?

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posted by ごー at 21:19| Comment(0) | 読書記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年08月17日

福澤徹三『俠飯(おとこめし)』

就職活動で悩んでいる大学四年の男子学生の部屋に、やくざの組長とその部下が転がり込み、大学生と組長の共同生活が始まる、というお話。






柳刃竜一と名乗る組長は料理が得意。冷蔵庫の中の残り物でささっと作ったり、時には珍しい材料を取り寄せて料理に使ってみたり……。柳刃のおかげで、大学生若水良太の食生活が一気に良質なものに変わるのが面白い。食べ物で性格や生活が変わるというのはおそらく確かなことで、若いうちに目の前で教えてもらえた良太がうらやましく思える。

以前、この本の漫画版を読んだことがあった。






漫画だと、そこに絵として描かれた人物を登場人物として受け入れるわけだけど、文字で書かれた小説だと、文章中に描かれた特徴を頼りにして自分の好きなように登場人物の姿形を作り上げられるので、それが楽しかった。私の頭の中では、柳刃→高倉健、柳刃の部下である火野→成田三樹夫、大学生の良太→三浦春馬、といった感じ。

良太には仲良くしている友達が三人いて、それぞれ趣味も境遇も違うし、何の接点もなさそうなのに仲がいい。大学のクラスが一緒なのかなと漫画で読んだ時には想像していましたが、小説サークルの仲間だったのですね。そういうお友達がいるのはまことに羨ましいかぎりです。

サスペンスでコメディで、料理本でもあり自己啓発本(柳刃が年の功と人生経験から、良太にいろいろな助言をしてくれる)でもあり、一冊で何通りにも楽しめました。

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posted by ごー at 18:34| Comment(0) | 読書記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする