ある日、若い女の人から席を譲られました。これはいったい! きっと私はこの人のお母さんくらいの年頃なのであろうと納得し、ありがたく座らせてもらいました。
先日、私とあまり年齢が変わらなそうな女の人から席を譲られました。「いえ、大丈夫です」と言ったものの、「どうぞおかけください」と言われたので、ありがたく座らせてもらいました。
席にすわっていろいろ考えました。私はそんなに老けているのだろうか。自分では若いつもりでいたけれど、他の人から見れば十分お年寄りなのかもしれない。
そもそも私は老け顔なのです。中学生の頃だったか既に高校生だったか、東京のとある場所を歩いていたら「お勤めの方ですか?」と声をかけられたことがあります。入院中の母を見舞いに行った時に、隣のベッドの人が母に「妹さんのお見舞いですか、いいですね」と言ったことを覚えています。老け顔の人は途中で年齢が顔に追いつき、そのあとは若く見られるようになる、とどこかで聞いたことがあるような気がしますが、私には当てはまらないようです。
バスを降りてから、食料品を買うために立ち寄ったスーパーの化粧品売り場に行き、何かアンチエイジングの化粧品を買おうかと思ったけれど、どれがいいのかわからないし、家にはまだニベアクリームがあるので、化粧品は何も買わずに帰りました。
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夫に、中年女性から席を譲られた話をしたら、「老けているというより、病人に見えたのだろう」と言われました。私はそんなに顔色が悪いのだろうか、苦しそうな顔をしているのだろうか。もうどうしたらいいのかわかりません。
その日、夫は別のバスの中で「若い人」と言われたそうで、ちょっとご機嫌でした。還暦過ぎているけど。
バスの中で夫が仕事の本を読んでいたら、近くにいたおばさまから「今どきの若い人がバスの中でまじめな本を読んでいるなんて、珍しいわね」と言われたのだそうです。
まあ、今どきの人はみんなスマホを見ていますからね……。
私「それで、何て返事したの?」
夫「まじめな本を読むような人はバスには乗らないのですよ、車で移動するのです、って言った」
私「それって! 自虐のつもりかもしれないけど、その人に対しても失礼なんじゃない?」
夫「いいんだよ。だってその人、本を読んでいなかったから」
そういう問題ではないような? 夫は気の利いたことを言ったつもりで、実は失礼な発言をすることがよくあります。一方私は、どうでもいいことをいつもぐるぐる考えている。こういうわけで、私たちには友達がいないのです。
しかし、今まで自分が席を譲った回数と譲られた回数を思い返してみると、譲られた回数の方が譲った回数を既に上回っているような気がします。人に何かをしてあげたことより、してもらったことの方が多い人生でした。
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